四章・あの事件1−誰も知らない、学校のいじめ体験

こうして2学期も終わり、3学期へと突入する。

クラス全体が、荒れ放題のまま2年生に進級し、 そして何れは、このゴミのようなクラスも、 スクラップのように、バラバラに解体されるのだろうと誰もが思っていた頃、 このクラスを変える、「あの事件」が起こる。

これは俺自身、最初の経緯を知らないので 詳しく書けないのが残念なのだが、分かる範囲で書いてみたい。

事の発端は、
クラスの女生徒と竹内の間でトラブルが起こったらしい。 教室内で、その生徒が泣きながら竹内に文句を言っているようだった。 そのただならぬ雰囲気に、しばらく生徒達の視線が集まる。 そしてこのトラブルに、 それまで成り行きを窺っていた、あのUが加わる事になる。

Uは、これまでの大体のあらすじを知っていたのだろう。 教壇の前に立っている竹内に、怒気をあらわにして 「そこのところはどうなんだよ?!」という感じで詰め寄った。 今にも掴みかからん程だ。 それでも一向に要領を得ない竹内の話に、とうとうUがキレた。

竹内に掴みかかり、 教壇の下に強引にその体を引き倒す。 倒れて一瞬、教壇の影で見えなくなった二人だったが、 その状況から最初に立ち上がってきたのがUだった。 倒された竹内はしばらくしてヨロヨロと立ち上がり、 その顔を見た時にクラス中が息を呑んだ。 竹内の顔から眼鏡が飛び、そのこめかみ辺りから、血が流れ出していた。 倒れた拍子に何処かにぶつけたらしい。 この時になって竹内が堰を切ったように口を開いた。

「俺が行こうと思ったけれど、 俺が行ったって嫌がられるだけだと思ったから、○○に頼んだんだ」

どうやら話の顛末は、こうだったようだ。 一人の女生徒が何らかの理由で傷心したらしい。 それは教師である竹内が慰めるべき事だった。 でも竹内自身がクラスで嫌われている存在だとう事を自覚しており、 それを敢えてやらず、他の女生徒に頼んだらしいのだ。 それを教室で頼まれた女生徒が、「それはおかしいだろう」と、 泣きながら抗議していたという事らしい。



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