後にホウキンといういじめは、 うちのクラス内だけに収まらず、 他のクラスまで飛び火して行く事になった。
Sがやられていた頃、 UとYの間で、ホウキンのターゲットにMの名前が挙がった事があり、 Mの教室まで襲いに行った事があった。
丁度Mは教室に居なかったので 実際にはやられる事はなかったのだが、 この事実を知ったMは、いつ自分がやられるか気が気ではなかっただろう。
俺は”復讐”は有りだ、と思っている。 人の心の中に復讐いう感情が沸き起こるのは当然の事だ。 俺はあの時、Sや I のホウキンを見に行った事もある。 Mの時も教室まで着いて行ったしね。 そして、復讐というのなら、 NやO、ホウキンをやられるべきだったK、なによりUとYへの復讐・・・
ただ、俺はこの復讐に「捕らわれながら」生きて行く事は選ばなかった。 もし引きこもっている間に あの時の復讐を心に刻み込む道を選んでいたのなら、 今の自分とは似ても似つかない人間になっていたのは間違いない。 俺はこんなだけど、それでも今の自分を気に入っている。 そう感じる事が出来るのは 「いじめの復讐」という道を選ばなかったからだと俺は思っている。