ある日、リーダー格のヤツが、
「次の時間”ホウキン”より凄い事をやるぞ!」と言った。
・・・・もう俺は限界に来ていた。
気持ちがオカシクなっていた。
この時間の先生に助けを送ってた。
泣きながらずっと見ていた。
でも届かなかった・・・
しばらくして、授業が終わり、
奴らの方を見ると、
奴が薄ら笑いを浮かべている。
俺は話があるから・・・・と
そいつに言った。
奴はゆっくり首を横に振って見せた。
今でも忘れない・・・
あの瞬間・・・
奴の表情・・・
俺は
「自分でぬぐから・・・・」と奴に言う。
そしたら、
「コイツ自分で脱ぐって〜」と、
笑いながら、
集まっていた連中に言った。
そいつの前で、
自分で服をぬごうとしたら、
「やっぱ、つまんねーからぬがしちまえ!」と
馬乗りになって両手を押さえつけ、
他の奴が下に回って、
ズボンをぬがしていた。
俺はその時も
「やめろ!、やめろ!」って叫んだ。
何度も何度も・・・・
それが終わって、奴が言うには、
「自分でぬぐって言うのは中々だ。今日から俺達の仲間だ」と言った。
次の時間、教室が変わるので
階段を下りていく。
その途中に、
前の時間助けを求めた先生がいて、
「さっきどうしたの?」と聞いて来た。
周りに奴らが居たので、
「なんでもない」と言って、
走って逃げた。
もう遅いよ、今になって・・・
結局その先生もそれっきり。
僕はわからない。
こんないじめをする人間が
世の中には五万と居るんでしょ?
こいつらに報いはないの?
奴らのストレス解消のために、
僕はいじめの犠牲にされたの?
僕のこの「こころの傷」は
どうすればいいの?
ただね、このページを
このまま終わらせる気はない。
もし昔に戻れるのなら、
あの頃の俺を一発、殴ってやりたい。
自分にとって
大切なものを捨てていたから。
そして、守ってやりたい。
あの時の「僕という存在」は、
決して間違っていないのだから。
僕は、いじめを受けて、
もう何年も経つけど、
やっぱり忘れる事なんて出来ない。
ただ、もうあの頃には戻れないんだ。
僕は「負けてた」と思った。
自分自身の全てが・・・・
けれど、今の自分は
負けていないって気がする。
いや、負けていない。
もし、何処かに
「僕と違う僕」がいるのなら、伝えたい。
必ず、次がある。
すべてを負けてほしくない。
ひとカケラでも良いから、
大切なものを持っていてほしい。
思い出して!
強かったころの自分を・・・
・・・そうだよね。
いじめって少しずつ、
自分というものを
持てなくさせるんだよね?
次を信じられないくらいに
ボロボロにされるんだよね。
何もかも少しずつ奪っていって、
気がつけば、
もうどうにもならない所に
追い詰められて、
ただ出来る事といったら、
周りの人に心配かけないようにって・・・・
悔しいよね
さみしいよね
僕も言葉が見つからないよ
・・・・ただ、
こうしてここに来てくれて、
これを読んでくれている。
この出会いは何?
これが”次”って事だと僕は思う。
僕はそう”信じる”
僕はこの場所を、
いじめをした奴を
責めるだけで終わるような、
可能性の無い場所にしたくない。
僕はもう、
どうにもならないいじめにあったのなら、
学校を休む、
行かない、辞める、
それも選択の一つだと思う。
親は心配すると思うけど、
それはそれで
心配してもらっても良いんじゃないかな?
酷いいじめにあった時に、
いい子でいる事なんかないよ。
長い人生の中でも、
そうあることじゃないしね。
わかるよ、心配かけたくないの。
でも今、心配してもらわないと、
今度は悲しませる事になってしまうよ。
・・・悲しませる事ほど、
辛い事はないよね?
中には理解のない
大人もいるかもしれない。
僕も学校に行かなくなった時は、
「甘えてるんだよ!」と父親に言われた。
・・・・違うよ、
これは甘えなんかじゃない。
こんな学校や、
これほどのいじめをする子供が
現実に存在したんだよ?
こんな環境に
順応したふりをしている子供の方が、
よっぽど人間てきにいびつだよ。
こんな馬鹿げた事に、
僕らが付き合う必要はない。
これは逃げる事にならない。
道はいくらだってある。
心がズタズタになってしまったら、
次を踏み出すのに時間がかかり過ぎる。
僕は七年かかったから・・・・