人間のできること−誰も知らない、学校のいじめ体験談

俺がいじめを受けたのは、
中学一年の時だった。

放課後、昇降口で靴を履こうとすると、
何故か靴の中が湿っぽい。

最初は、
「気のせいかな?」と思ったけれど、
そんな日が続くようになり、
最後には、昇降口近くにある
水呑み場の蛇口の下に、
俺の「靴」が置いてあった。

蛇口から勢いよく吹き出す水が、
滝のように落ちて、
靴の中で溢れ返っている。

それを見つけた時、悲しくなった。
こんな事出来るんだ・・・・って。

悔しさを押し殺して、
上履きのまま家に帰った。

一度、
いじめの現場を見つけた事があって、
そいつが掃除の時間に手を濡らして、
俺の靴へ水を垂らしていた。

俺に
いじめを見られていた事に気がついて、
そいつは何やら誤魔化していた。

こんないじめの瞬間を見つけた時、
どうすればいい?
今なら答えは出せるけど、
あの時の俺には何も出来なかった。

ある日、
休み時間にトイレから帰ってくると、
俺の机の周りに、
エロ本の切抜きがばら撒かれてあった。

もう、
たまらなくなって、教室から出た。
家に電話した。
戻ってきても、そのままだった。

授業の時間になり、
物凄く嫌だったけど、
切り抜きのばら撒かれた席に着く。

しばらくして先生が入ってきた。
当然、この事が問題になって、
誰がやったのか、
生徒たちに無記名の紙を書かせた。

その時、
先生が俺の所に来て、
「お前がやったんじゃないんだな?」と
念を押した。

あんた馬鹿だね・・・先生やめなよ、
って言うか、人間としていらないよ。

結局それだけで、
この先生はどうしてそこに、
「エロ本の切抜き」があるのか、
調べもしない。

俺の周りに起こっている、
いじめの事実に、
全く触れようとはしなかった。

朝、学校に行くと、
机がチョークの粉だらけになってたり、
机の上にはいじめの言葉が、
もう書く場所もないくらい書かれてて・・・
でも、
もうそんな事は感覚が麻痺して、
どうでもよくなっていた。

俺が座っている席は壁側だったので、
奴らが俺が見るだろうと、
壁にもいじめの言葉がいっぱい書れていた。

その中に、”死ね”と書いてあった。

俺は一度も
「自殺」なんて考えた事がない。
この時思った事が、
「こいつら意味分かって使ってるの?」
「俺が死んだらコイツらどうするんだろう?」って。

この頃、
俺が自殺を考えていたら、
俺は一人じゃ死ななかったよ。

どうせ死ぬなら、
こいつらみんなブッ殺して、自殺したよ。
こいつら一人でもいないほうが、
世の中いいよ。
俺が死んだら、次の犠牲者は誰よ?
こんなの俺で終わりにするよ。



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